暇つぶしの歌が聞こえた

駅のプラットホーム

落ちる雨音を聞きながら


ふと目を向けると会社帰りの若い女性が

白い息を吐きながら歌っていた


いや歌っていたにしては小さな音

そう、音としか聞こえないメロディー


若く、明るく、光をたたえながらも、やわらかな暖かさ


電車が来る

その音に歌はかき消されていく


だけど、なぜか忘れられなかった

心染みわたる歌を


幾年、幾千年、幾億年


とどくのだろう

この愛の歌を